犬も食わない
血の色だった。
鳩の血の色。
漆黒を連想する闇の色は、幾重にも重ねた紅だった。
そんな、とてつもなく深くて、恐ろしくて、そして、うつくしいモノを閉じ込めた瞳。
「ねぇ、。」
形の良い唇が、心地のいいアルトで言葉を紡ぐ。
ゆらりと揺れる紅い闇は本当にうつくしい。
「僕は、怒ってるんだよ。」
そう、怒りと言う苛烈な光を灯した色でさえ、否、だからこそ、より一層にうつくしかった。
口付けられると言うより、それは噛み付かれるという表現のほうが近いものだった。
肉食獣が獲物に喰らいつくかのように、まさしく捕食される。
ガブリと、そんな聞こえるはずのない音が頭の中で響いた。
勿論、それはあくまで想像に過ぎないのだけれど。
*flower Crown*[鳩の血]
ペットボトルに口をつけて中身を喉に流し込む。
透明な水が入ったボトルはキラリと太陽を反射する。
冷たく冷えた水は、真夏の暑く、ぎらついた太陽ですっかり火照ってしまっていたの体に浸みた。
何時間立っても、このボトルの中の水が、心地の良い冷たさを保つように、魔法をかけた“彼”はふと気付くとの視界から消えていた。
彼が唐突にの視界から消失するのは別段珍しくもないので、は気にも留めはしない。
暦は八月。の通うホグワーツ魔法学校は夏休みだった。
長期の休みに入ったからといってすることといえば、出された宿題くらいで、他にしたい事やする事は特になく、ただただ悪戯に時間だけが過ぎていく。
1年前までのの夏休みは、そうではなかったけれども、2年前、卒業した現在の同居人に1年前に一緒に暮らそうといわれて、同居し始めれば、同居人は大層優秀な人間だったので、料理も掃除も買い物も全部してくれる。
卒業してから、魔法省で闇払いとして、働く彼は、優秀な仕事振りらしく、毎日忙しそうにしている。
関わらず、のために食事は必ず作っておいてくれたし、彼はを随分と甘やかした。
だからと言うか何と言うか、は毎日毎日、気まぐれな時間に起きて、気がついた時間に寝た。(寝ない日もあったし、起きない日もあった)
食べたくなったら食べて、食べたくなければ食べなかった。(一日5食の日もあれば、全く食べない日もあった)
そんな自堕落な生活をついに見かねたのか、昨日“彼”はに出かける約束をさせた。
入用のものも特にないので、外出する必要などないといったところで、彼は肩眉を吊り上げると、
そのうつくしい深紅の眼を細めて、「僕が欲しい本があるから。」と凛としたアルトで告げた。
そうして翌日、朝の10時にベットから引きずり出され、彼と共に町に出た。
何処に行くのかもわからぬまま、彼に引きずられるままノクターンを抜け、ダイアゴンを抜け、漏れナベを抜け。
そうして出たのはマグルの町。
彼は昨日の言葉の通りを引きずってとにかく本屋をいくつか回った。
なかなか欲しい本は見つからないらしい。
時間は瞬く間に進み、ランチを挟んで、そしてついに先ほどのべ8件目の本屋にして彼は目当ての本を発見したらしい。
嬉々として手にした本をレジに持っていっていた。
目的を果たし、じゃあ帰ろうかと、本屋を出て二人並んで歩いていたはずだが、気付いたら彼は隣に居らず・・・。
そうしてはじわじわと照りつける夏の太陽から逃げるように、目に付いた小さな公園の木陰の下にあったベンチに腰掛けたのだった。
ペットボトルの中身を半分ほど飲み干して、は一つ息をつく。
肌をじりじりと焼く太陽の光は、枝葉が緩和しているが、それでも暑く、じんわりと滲んだ汗が、まとわりつく。
不快なその感触に眉根をよせる。
冷却呪文でも唱えたいところだが、あいにくは杖を持ち歩くという習慣がない。
杖がなければ魔法は使えない。
姿を消した彼ならば、杖がなかろうが、ある程度の魔法は使えるが、にはとてもまねできないので、どうしようもない。
(あつい・・・・)
照りつける太陽と熱に脳まで溶かされたような錯覚を覚えながら、はぼんやりと枝葉の合間から見える蒼い空を見ていた。
風もあまりないのか、見あげた青空で真っ白い雲がゆっくりと動いている。
雲が太陽を隠してくれないだろうかと、希望を胸に抱いたが、その希望は叶いそうにもないほどに、空は晴れ渡っていた。
「?」
「・・・?」
不意に紡がれた懐かしい名詞に、は思わず視線を動かした。
目の前に独りの男が立っている。
男はのつま先から頭の先までじっくりと見つめた後、口元に柔らかな笑みを浮かべた。
「ああ、やっぱりだ。」
確信を持った男は、柔らかなバリトンの声での鼓膜をなぜる。
“”と、そう“”のことを呼ぶ男の名を、は覚えていなかったが、自分とその男がどういう関係だったかは瞬時に理解ができる事だった。
とそう自分を呼ぶ人間は、過去にが男娼として取った客に違いないのだから。
はすぅと目を細めると、「こんにちは。」と誰かもわからぬ男に紡いだ。
あんなにも茹って、溶けそうだった思考が、すぅと冷えていく。
「ひさしぶりだね。キミの事を随分ながく見なかったものだから、とても寂しかったよ。」
男は口元に柔らかな笑みを浮かべたまま、するりとの隣に腰掛ける。
そしてそのまま自然な手つきでの太股に手を這わせる。
「学校、行ってましたから。」
腿に這わされる手をチラリと一瞥して、は男にそう言葉を紡ぐ。
「ああ、なるほど。今は夏休みの時期だね。」
男は笑って、の鼓膜をなぜるように言うと、腿に這わせていた手をはずし、の細い腰へと回す。
「久しぶりに、食事でも?」
まるで甘い香りでも漂ってきそうな声でいう男に、はうーんと、少し考えるフリをして、それからやんわりと首を左右に振った。
「ごめんなさい。今日はもう予定があって。」
「そうか・・。それは仕方がないね。君を今日独占できる、ラッキーな人間に嫉妬してしまうよ。」
「あはは。」
男の言葉にはコロコロと笑った。
「次は是非、そのラッキーな人間になりたいものだ。」
言って男は、の腰に回した手で、ぐっとを引き寄せると、ちゅと、音を立てての唇にキスを落とす。
「じゃあ。」
唇を離し、の掌になにか紙を握らせると、男は踵を返した。
去っていく男の背中を暫く、の仮面をつけて見送ったあと、はぐいと、手で己の唇を拭う。
もう片方の手に握らされたソレを開くと、何枚かの紙幣と連絡先の書いたメモ。
こんなものはさっさと破って捨ててしまおうと、紙幣とメモを両の手で広げた途端、ビリっと肌の上を静電気のような何かが走った。
「ッ・・・」
肌の上を走った痛みに一瞬、目を閉じる。
そして、次、が瞼を開けたときにあったのは、深紅。
「あ・・・。」
気付けば、手首を痛いほどに掴まれている距離で、その深紅はあった。
「・・・リドル・・・。」
「いまの、だれ?」
じっと、真っ直ぐにを見据え、低い声でリドルは問う。
地を這うような、とはこういう声のことを言うのだろうと、見当違いのことを考えながら、は緩く首を振った。
「しらない。」
の答えに、ピクリとリドルの片眉があがる。
「名前なんて、おぼえてねーし・・・」
リドルの手がギリギリとの細い手首に食い込む。
その痛みには顔をしかめるが、捕らえる手をはずそうとは思わなかった。
「昔の、“お客さん”だよ。」
が紡いだ言葉に、リドルの双眸がすぅと細められる。
ピリッと、肌を弾くような感触は、リドルの感情によって肥大した魔力の残滓に違いない。
深紅の双眸に宿る色は、氷のように冷えても見えるし、マグマのように灼熱を孕んでいるようにも見える。
(綺麗だな。)
絶対零度と灼熱。
正反対の性質をもつものが交じり合うわけでなく、同時にその双眸に存在する。
その深紅の色は酷くうつくしく、はその色に見惚れた。
リドルは何も言わないまま、の腕を強く引く。
リドルにされるがまま、引きずられるように、はリドルの後ろに続いた。
肌の上を少しの痛みを伴いながら、電流のように走る、彼の魔力が、どうしてか心地いいと思った。
部屋を出たときと、当たり前だが逆そうする形で、漏れナベを通って、ダイアゴンを通って、そうしてノクターンをくぐり、そうやって、自分達の家とよべるソコの玄関をリドルは鍵を使わず、乱暴に魔法でこじ開ける。
几帳面なリドルらしくない乱暴な振る舞いに、は少し驚きながらも、腕を引かれるまま、玄関をくぐる。
リドルの案外強い握力に握られたままの手首は、その圧迫ですでにジンジンと痺れていて、なんだか骨が軋んでいるような気がした。
バンっと、乱暴な音を立てて、リビングの扉も、そしてその奥にある寝室の扉も、リドルの魔力がこじ開けていく。
寝室の扉をくぐった途端、ぐいと、身体をひかれ、ほんのすこし、ふわりとした浮遊感のあと、ボフと、背中にベットのスプリングの感触。
「ぅわっ・・・!」
ギっとベットが軋んで、の目の前に、自らを組み敷き、見下ろす暗い深紅の双眸。
ああ、ベットに放り投げられたのか。との頭はようやっと理解する。
「。」
の手首を掴んだままだったリドルの手が、またよりいっそう、その細い手首を握る手に力を込める。
「っ・・・」
ギリリとした痛みには顔をしかめるが、リドルは力を入れることをやめなかった。
「リドル、痛い。」
言って、は自由の利くほうの手で、のしかかっているリドルの胸板を押す。
と、自らの視界に入った己の手が、いまだ件の男から握らされた紙幣と、メモを握っている事に気付いた。
すると、リドルの手が、の白い手に絡む。
紙幣とメモを握り締めていたの指をリドルの指が、やわやわと解いていく。
カサリと、紙がこすれる音がして、の掌に収められていた紙幣とメモはリドルの手の中に移った。
ずっと握っていたせいだろうか、しっとりと汗ばんだ手に握られていたその紙は湿っていたが、そんなことは何の問題にもならず、ポッと小さく音を立てて、リドルの手の中で蒼い炎を上げて燃えていく。
紙幣とメモを燃やすソレはリドルとの肌を決して焼くことなく、ただ、その対象だけを跡形もなく燃やしていく。
「・・・。」
ちろちろと、紙を燃やす、蒼い炎が、リドルの深紅に映りこむ。
やがてその炎は小さくなり、対象を燃やし尽くすと、静かに立ち消えた。
「。」
心地良い、アルトがの鼓膜を撫で上げる。
見下ろしてくる絶対の深紅に、はコクリと喉を鳴らした。
ベットに縫いとめられている手首の痛みと、リドルに優しく絡め取られた指先。
リドルは絡めたの指先に、ちゅと、音を立てて口付けを落とすと、獲物を捕らえた獰猛な肉食動物のように、嗜虐心を隠そうともしない双眸で、を見据えた。
「僕は、怒ってるんだよ。」
出かける前に、几帳面なリドルがキッチリとベットメイキングしたシーツはもう、すっかり、ぐしゃぐしゃになってしまっていた。
洗濯をして、太陽の光を沢山吸って、ぴっしりとアイロンをかけた、皺一つ、染みひとつない、真っ白なシーツだったのに、
いまや、それはしわくちゃで、ぽたぽたと、何かこぼしたような染みが沢山ついてしまっている。
締め切った部屋に、留まった空気は、どこか澱んでいて、そして熱気を帯びたようだった。
「はっ・・・」
ぐしゃ、と、シーツを握り締めて、また皺を増やしながら、は短く息を吐き出す。
生理的な涙で膜を張った眼球に、視界がぼやけて見える。
四つん這いで、けれども、当の昔に身体を支える事を放棄した腕は、ぺたりとしわくちゃのシーツの海に沈んだ。
腰だけを高く上げた、獣のような姿勢で、は熱のこもった息を短く、何度も吐く。
ぐちゃぐちゃと、粘着質な音が、の鼓膜から侵して来る。
深紅の眼に苛烈な憤怒の光を灯し、“怒っている”といったリドルは、それでもに暴力をふるったり、無理に身体を犯すことはしなかった。
腰を高く上げさせられ、差し出すように曝け出されている秘部に、たっぷりとローションを垂らし、傷つけないように、周りの皺を指先でなぞったあと、ゆっくりと指を差し入れる。
決して無理矢理に進めず、少しずつ進めては、ソコが異物に慣れるまで動かず、過剰なほどに丁寧に慣らしていった。
女性器と違って、濡れないソコに、潤いを与えるために、2本に差し込んだ指の間からローションを継ぎ足して、中を濡らしていく。
その作業は優しく丁寧すぎるほどだった。
くちゅん、と、後ろから音がしては羞恥に頬を染める。
自らは、一糸纏わぬ裸体であるのに、背後のリドルは対極に、一糸乱れぬ姿であることが、さらにの羞恥をあおる。
中に入っている2本の指に、沿わせるように、もう一本リドルの指が秘部の周りをなぞり、ノックをするような動きをしたあと、ゆっくりと秘部に指を飲み込ませていく。
ゆっくり、丁寧すぎるほどに慣らされたソコは、ローションですっかり濡れそぼり、リドルの指を飲み込んでいった。
「っぅ・・・」
飲み込まされた指は、の快楽を引き出すために動くことはせず、ただ、本来外から何かを受け入れるための機関ではなくその肉壁をただ拡張させるために、ひどく機械的に動いた。
その動きに快楽を拾うことは出来ず、ただひどい異物感がを苛む。
なのに、ソコに雄を受け入れて、快楽を拾うことをできる事を知っている身体は、飲み込まされた指がその奥にある前立腺をめちゃくちゃにこすり上げて、脳髄まで溶かすような快楽を浅ましく妄想して、切なげに、ねだるようにきゅうと、指を締め付ける。
クス、と、笑う気配がして、のアナルを犯している手とは違う手で、緩く開かれたの足の間から、するりと、指先でペニスをなぞられる。
「触っていないのに、もう、こんなに涎をたらして・・はしたないね?。」
「っ・・!」
揶揄する様な言葉に、は頬を染め上げ、目をさらに潤ませた。
リドルの言葉のとおり、のペニスは触れられてもいないのに、後ろにくわえ込まされた指が、快楽を与える妄想に、すっかり立ち上がり、先端の窪みから先走りをはしたなく垂らしていた。
「や、ぁ・・・」
リドルの羞恥をあおる言葉に、のペニスはさらに期待に震えるかのように、また先走りをこぼす。
後ろに沈められた指は、一向にを快楽へをいざなわない。
「ねぇ、。この、はしたない、おち×ち×。どうしてやろうか?」
わざと卑猥な言葉をつかって、リドルはの羞恥をあおりながら、指先で触れるか触れないかの柔らかなタッチでのペニスをなぞり上げる。
その僅かな刺激にさえ、は背筋を震わせた。
思わずねだるように、腰が揺れる。
「ほんとうに、はしたないね、。」
言いながら、リドルは目の前の真っ白い背中にいくつか口付けを落とすと、口角をあげて、にぃと笑う。
くるりと、指先でのペニスをまぁるくなぞる。
「っぃやだっ・・・!!」
途端、が悲鳴を上げて、肩越しにリドルを振り返った。
の潤んだ闇色に、リドルの紅が映りこむ。
リドルはチェシャネコのように、その目を細めて笑っていた。
と、ぐちゃりと、今までのアナルに入り込むだけ入り込んで、大人しくしていた指先が暴れ始める。
「ああっ・・・!!」
今まで大人しくしていたのが、嘘であるかのように、リドルの指はの肉壁を乱暴にかき回し、容赦なく前立腺をこすりあげる。
「いやぁああっ・・!あ、あ、・・ッ・!!」
急激に与えられる目もくらむような、快楽には声を抑えることもできず喘ぎ、頭を振って薄闇色の髪を乱す。
「やだっ・・・!やめ・・っ!うごかさ、な・・・!」
少し前までは、この目の前が白くなるような快楽が欲しくて欲しくてたまらなかったのに、いまやを翻弄するその快楽は、鋭利な刃物のように、恐ろしかった。
「ッ、は、ぅ、ず、はずしてぇ・・・!」
ボロボロと零れる涙を止める事など出来ず、は懇願する。
この求めた快楽が、凶器になる理由に、震える指先で手を伸ばした。
傍から見れば、自らその欲望に手を伸ばし、擦り上げるような自慰行為に見えるかもしれない。
けれども、は自らのペニスに手を伸ばし、リドルの指に絡める。
ペニスの根元に、リドルがその魔力で施した輪状の枷のようなものがキラキラと輝いていた。
「おねが・・、はずして・・・っ!」
根元を封じられて、腹のそこに溜まった様な悦を逃がせず、は咽び泣く。
震える声で告げられた2度目の懇願に、リドルは目を細めて笑むだけで、応えはなかった。
ただ、絡めたの指先ごと、吐き出せず、パンパンに腫れて震えているペニスを扱き上げ、さらに快楽を叩きつける。
「ひゅっぅ・・・!アアアアアアアッ!」
同時に前立腺も指の腹でめちゃくちゃに擦られて、は悲鳴を上げた。
ビクビクと背中が揺れ、太股が痙攣する。
唾液はもう、飲み込むことなど出来ず、口の端から垂れ落ち、薔薇色に染まった頬に止まらぬ涙が伝う。
「ふぅ・・ふ・・・っ」
ヒクリと、身体を震わせ、の四肢から力がぬける。
薄闇色の眼は焦点を結ばず、虚ろにしわくちゃになったシーツを見つめていた。
「ああ、出さずにイっちゃったんだね。」
ヒクヒクと痙攣する白い背中に視線を落としながら、リドルが言う。
ああ、と、はぼんやりとリドルの声を聞いていた。
射精せずに達した身体は、絶頂の余韻から中々帰れず、ふわふわとした感覚の中、そのまま身をゆだねたくなる。
とろとろと、訪れる睡魔に落ちることは、けれど許されなかった。
「ココから、射精せずにイった感想は?」
クチクチと、先端の窪みを爪先で弄りながら、リドルがの耳元で吐く。
低い声に、ヒクリと喉がなった。
「あ、あ、あ、」
射精できず、いまだにパクパクとひくつく鈴口を弄られて、はその専ら痛みに近い快楽に頭を振る。
ぐちゅ、と音がして、アナルに埋め込まれていたリドルの指が引き抜かれる。
ローションでドロドロに溶かされていたそこからツゥと、糸が引いた。
ドロリと、中に入れられていたローションが零れ、の白い太股にたれる。
その僅かな感触さえも、快楽を引き出す引き金になり、はブルブルと震えた。
与えられる拷問のような快楽に、すっかり震えているにリドルはクスリとわらい、
珠のような汗が浮かぶ、薄く薔薇色に色づいた背中に、ローションに濡れた指で触れる。
ツゥと、背骨を辿るように、愛撫するその手は、尾てい骨までいくと、また首筋まで戻りを繰り返す。
「いやぁ・・も、やぁ・・・うぁ・・」
クチクチと先端の窪みを爪で弄られ、焼け付くような痛みを帯びた快楽を与えられ、かと思えば、指の腹でくすぐるようにこしょこしょと、やさしく愛撫される。
もう片方の手では背中を悪戯されて、そうやって与えられ続ける快楽に、の脳髄はすっかり溶かされていた。
何も考えられず、考えようとしても一瞬で思考は散り散りに砕ける。
指を引き抜かれたアナルは肉壁を埋めるものを失っても、長い間苛まれたソコは閉じきれずに、充血した肉壁をさらしながら、ヒクヒクと収縮を繰り返す。
コポリと零れる、ローションがまるで女の膣から分泌される愛液のようだと、リドルは笑った。
「・・ぇけて・・・」
「うん?」
と、喘ぐばかりだったの口から小さく、言葉が漏れる。
「も、・・・たす、けてぇ・・・」
震える薔薇色の唇から漏れ出た3度目の懇願。
涙に濡れ、快楽に溶けた闇色の瞳がリドルに懇願する。
リドルはふんわりと、微笑むと、の力の抜けた肢体を抱き上げ、むき合わせるように、膝の上に座らせる。
太股に感じるスラックスの繊維が、リドルがまだ本当に衣服すら乱していないことを余計に感じさせ、
羞恥に染まった頬を隠すように、はぎゅうと、リドルにしがみついた。
「・・・。」
しがみついてきたの背に腕を回し、柔らかく名前を呼びながら、幼子にするように頭をなでてやる。
「リドル、りどる。たすけて・・・」
愉悦にかすれた声では繰り返し、助けを請う。
「うん、。どうして欲しい?」
ようやっとかえってきた応えに、はひくと、肩を震わせた。
リドルはの肩にそっと手をかけ、しがみついてくるを胸から放し、とろけきった闇色の瞳を見すえて、もう一度微笑むと、
ちゅと、音を立てて、の額にキスを落とす。
「は、どうして欲しいの?」
小さな子供に問いかけるように、もう一度リドルが問う。
ひく、との喉が鳴った。
欲するものを、その唇で紡げと、リドルの深紅が告げる。
羞恥が言葉を紡ぐのを妨げ、きゅっとは唇を引き結んで、リドルの視線から逃れるように視線をそらす。
そんなの仕草に、リドルは優しく、優しく微笑みながら、戒められたままののペニスに再び指を絡める。
「あっ!」
ビクビクと震えるソレを性急に扱きあげ、鈴口をくすぐるように指の腹で弄ってやれば、は背を反らして喘ぐ。
「ああ、そういえば、ココは今日、弄ってなかったね。」
が背を反らした事で、リドルに差し出されるようになった白い胸。
そこに、すっかり芯を持ってツンと立ち上がっている乳首をみつけて、れ、と舌で舐れば、はさらに悲鳴のような嬌声を上げた。
空を切るの手が、リドルの頭をかき抱く。
くすと、リドルは笑って、容赦なく口に含んだ乳首を甘噛みして、じゅっと吸い上げる。
「ひぃぁっ!」
くしゃりと、リドルの黒髪に絡んだの指先に力がこもる。
「ふふ、苦しそうだね、。」
乳首から唇を離し、リドルはしゃあしゃあと楽しそうに告げる。
唾液に濡れ、てらてらと光る乳首が酷くいやらしい。
「こっちもしてあげようか?」
言って、もう片方の乳首に口付けるリドルには己の中に残っていた僅かばかりの羞恥心をかなぐり捨てた。
「・・っい・・・!」
小さくはかれた言葉に、リドルはうん?と、首をかしげてを見つめる。
「も、やだぁ・・!だしたい・・!!欲しっ・・・・・!」
絶え絶えに言葉を紡ぐにリドルは目を細める。
「うん、。何を出したいの?」
「せーえきっ!」
理性の何もかもを快楽にとかされて、脳髄から追い出されたは、はしたない言葉を叫ぶ。
羞恥をまだ理解できぬ、幼子のようなその仕草に、リドルはさも楽しそうに笑う。
「うん、それで、何が欲しいの?」
を追い詰めるために、ペニスを弄る手は止めぬまま、リドルはさらに問いを重ねる。
「りどる、りどるの、おち×ち×が、ほしっ・・・!」
「はは、、はしたないね。」
雄をあおるように、はわざと卑猥な言葉でリドルを誘った。
言葉にリドルは声を上げて笑う。けれども、まだが望むものをやりはしなかった。
「何処に欲しいの?指をさして、僕に教えて?」
「あ、あ、あ・・・!」
どこまでも、何処までも、リドルはを落としていく。
リドルの言葉を熱に浮かされた頭で理解して、は震える指先を自らのアナルに伸ばす。
ローションにまみれ、ひくひくと疼くソコは、の細い指先を簡単に受け入れた。
「ココ・・!ココに、ほしい・・・!!!!」
くちゅくちゅと、自らの指を喰いしめ、肉壁を擦りあげるの姿に、リドルはペロリと唇を舐め、口元に笑みを乗せた。
「いいよ、あげる。」
言って、ベルトをはずし、ぷちりと、自らのスラックスのボタンをはずし、ジッパーをさげる。
その音に、はごくりと、唾を飲み込んだ。
欲に濡れた闇色の眼が、じぃっと、リドルの様子を伺っている。
取り出されたリドルのペニスはすっかり形をかえていて、グロテスクなほどに、おおきく、血管が浮き上がっていて・・・
今から、このおおきく、熱いもので、後ろを満たされて、ガツガツと前立腺を擦られるのだとおもうと、もう、たまらなかった。
ぶるりと、腰が震え、戒められたまま、痛いほどに立ち上がっているのペニスから、また先走りが零れた。
「、そんなに見られると、恥ずかしいよ。」
じっと見つめるの目に笑って、リドルはちゅっと、の唇に触れるだけの口付けを贈りながら、の細い腰に手を添え、引き寄せる。
片手で、の腰を支えたまま、リドルはのアナルにもぐりこんでいるの指先をそっとはずさせると、ふわりと微笑んだ。
「ん・・・」
くちゅと、リドルのペニスの先端が、のアナルに触れる。
熱い先端が入り口に当てられて、ひくひくと、のアナルは期待に震える。
「ほら、。めしあがれ?」
からかうように言って、リドルはの腰を掴むと、一気に引き落とした。
ぐちゃんと、音がして、ドロドロにとかされたソコは痛みなど忘れたかのように、おいしそうにリドルのペニスを咥え込んだ。
「−−−−−ッ!!!!」
声にならない嬌声を上げて、は背を反らした。
大きな熱の塊が、肉壁を押し広げ、擦りあげる。
先端に膨らんだ前立腺を擦りあげられ、は身も世もなく喘いだ。
「あっあっ、あう・・ひぃ・・!」
ぼたぼたと、涙が零れ落ちる、飲みきれない唾液が顎を伝う。
「きもちいい??」
顎を伝う唾液を拭うように舐め上げて、リドルが問えば、はガクガクと首を上下に動かして肯定した。
「きもちぃ・・きもひぃ・・っ」
「そう、良かった。」
砂糖菓子のような声で喘ぐに、リドルはにこりと笑うと、もっと、きもちよくしてあげようね?と、囁いて、の震えるペニスに手を伸ばす。
「ひゃぁああっ!」
一度も射精できぬまま、パンパンに腫れあがったペニスを容赦なくごしゅごしゅと扱かれて、は陸に打ち上げられた魚のようにビクビクと跳ね上がった。
リドルのペニスをくわえ込んだ肉璧がきゅうぅと、締まる。
その締め付けに、リドルも小さく息をつめた。
「いやぁぁあああっ!!あ、あ、あ、あ、ひゅぃ・・・い、ああああっ・・・」
「こら、逃げちゃダメだろ?。欲しがったんだから、残さず食べない、と。」
暴力的に与えられる快楽に、が逃げるように腰を浮かそうとするのを許さず、リドルは奥へ奥へと突き上げ、肉壁の奥、
腹側にある前立腺を、ペニスで磨り潰すように擦り上げる。
「いやぁああ!いやぁああ!はなひて・・っ!も、やだぁあ・・!そこ、ズ・・ン、ズンしちゃぃ・、やぁっ・・!」
射精を伴わないまま与え続けられる、行き過ぎた快楽は辛く、は頭を振り乱して、それから逃げようと泣き喚く。
もはや呂律も回らず、ひどく舌ったらずな言葉を吐きながら、逃げようとするに折檻するように、リドルはだらだらと先走りをこぼし続けるの先端の窪みをぐちぐちと爪で苛む。
「ひやぁあああっ!やだっ!やらぁああっ!だしたいっ!ださせてぇっ!!だしたぃぃっ・・・!!」
吐き出せぬまま、ぱくぱくと、はしたなく収縮を繰り返していた鈴口を弄られて、は狂ったように喚く。
悲鳴と呼ぶほうが正しいような嬌声を上げながら、は前立腺と、先端への手酷い愛撫で、射精をしないままの絶頂を極めた。
ぎゅうぅうと、リドルをおいしそうに食べている肉璧が、の絶頂に伴い締め付ける。
「く・・・っ、・・」
その締め付けに、リドルは小さくうめいて、奥に精液をたたきつけた。
直腸に熱い精液が叩きつけられた感触に、の背がびくびくと痙攣すると、
リドルの肩に置いた手にきゅっと力が入り、の綺麗に手入れされた桜色の爪が、肩に食い込んだ。
やがて、その指先の力がぬけると、くたりと、力をなくした肢体が、リドルの身体にのしかかる。
肩口に、ぐったりとの頭が預けられた。
「あ、あ、あ、ずるい・・リドルだけ、だした・・・。ずるい、ずるぃ・・・っ」
あらく息をつき、喘ぎながら、が涙をこぼしてリドルを責める。
子供のように嗚咽を漏らしながら「ずるい」と繰り返すをなだめるように、あやすように頭をなでてやりながら、射精したばかりにも関わらず、まだ芯を持ったままの、自らのペニスでぐりゅと、前立腺を押しつぶす。
「ひぃっ・・・!」
「最初に言ったけどね、。」
「あ、あ、あ・・!」
すぐ側にある、柔らかそうな耳介をつぅと、赤い舌で舐め上げて、の鼓膜にリドルが低く、言葉を紡ぐ。
「僕は、怒ってるんだよ。」
毒を注ぎ込むようにして低く吐くと、ガブリと、白い耳に歯を立てる。
「ぃっ・・・!!!」
その痛みすらも、の身体は勝手に快楽へと変換して、ぶわりと、また目からあつい涙が零れた。
そうしてまた、下から突き上げられる。
アナルからリドルの精液とローションが混じったものが、押し出されるように零れて、リドルがペニスを押し込むたびに、零れたソレがぐちゃぐちゃと、淫猥な音を立てた。
「ふぅ・・・ふぇっ・・・・!!」
いやいやと、頭を振って、自らの指先を己のペニスへ導き、根元にはめられた、魔力の輪をかりかりと、爪先で引っかく。
無駄だとわかっていても、そうせずにはいられなかった。
「だしたいっ・・だしたいっ・・・」
もう当の昔に射精するだけの快楽は得ているというのに、射精が許されない。
頭の中は、はしたなくも、もう、射精する事しか頭になくて、他になんにも考えられない。
それほどまでに、追い詰められていた。
「っ、こ、こわれちゃ・・こわれるっ・・・!おち×ち×こわれるっ・・・!!」
わざといやらしい言葉をつかい、媚びるように腰をくねらす。
しかしその言葉にリドルが片眉を吊り上げたのをみて、は自らの思惑が失敗どころか彼の怒りを余計にあおってしまったことに気付かされた。
「本当に、いやらしいね。」
いけない。と思った時には、もう遅く
リドルは低い声で咎めるように言うと、バチンと容赦なくの白い臀部を打った。
続けざまにバチン、ばちんと、とぶたれ、白かった肌が一気に真っ赤に染まる。
幼子に行う、痛みを与えるだけの折檻のようなソレにすら、快楽に狂った身体はソコに愉悦を拾い出す。
のペニスは痛みに萎えるどころかさらに先走りをこぼし、リドルを喰い締めた肉壁はきゅうきゅうと、さらにリドルのペニスを締め上げた。
「全く・・・。お尻を叩かれて、前は涎をたらして喜んで、後ろは僕のをもっともっとと、頬張って・・・。痛いはずなのに、どうしてだろうね?」
「ううぅ・・ふぅうっ・・・!」
この淫乱。と、蔑む言葉を落として、打たれて真っ赤になった臀部を、今度は優しくいたわるようになで上げる。
優しい掌の動きさえ、打たれた皮膚にはヒリヒリとした痛みを与えるばかりで、は背中を震わせて泣く。
「う、うぅ・・も、や・・や・・・。」
射精を許されないままに、どろどろに溶かされるような快楽を与えられ続けた身体は、もうとっくのむかしに限界を超えていて、もう気が狂いそうだった。
行き過ぎた快楽は、苦痛と痛みに変わって、けれどその苦痛も痛みも、狂い始めた身体は快楽へと変化させていく。
その繰り返し。
リドルの肩に顔を埋めて、はついに、すすり泣くような声を上げた。
「ひゅ、ゆぅ、ゆるしてぇ・・って、・ださせてくれるって、いった・・りどる、いったのにぃ・・・ひどい・・・ひどい・・」
嗚咽を漏らしながら、わがままを言う子供のようなに、リドルは背中を優しくさすってやりながら、
の闇色の眼から零れる涙を拭うようにその頬に、いくつか口付けを落とすと、ことさら甘く微笑んだ。
「だって、苛められるの、スキでしょ?」
ひどい言葉に、はさらに目を潤ませて、ついには声を上げて、小さな子供のように泣き出した。
うわぁあん、と、耳元で響く鳴き声が甘く甘く、リドルの鼓膜に浸みる。
あやすように身体をゆすってやれば、中に埋められたままにリドルのペニスに肉壁を擦られて、子供のような泣き声に、子供らしくない艶のある、いやらしい嬌声が混じり始める。
はもう、気持ちがいいのか、痛いのか、悲しいのか、怒りたいのか、わけもわからず、ただ声帯が紡ぐままに、喚き、泣き、喘いだ。
「ほら、。ちゃんと僕にカオを見せて。」
くすくす笑いながら、リドルは肩口にしなだれかかったままだったの顔を上げさせる。
薔薇色に染まった頬に幾つもの涙の後。口の端からは、飲みきれない唾液がつぅと、だらしなく伝っている。
目じりは真っ赤で、とろとろにとろけた闇色の眼が虚ろに、夢を見るようにリドルを見ていた。
ゆらゆらと、ゆすられて、快楽を叩きつけられながら、はその闇色にリドルの紅玉を映す。
なんにも考えられなくなった思考の中で、自らの目に映る、その鳩の血が、うつくしいことだけをぼんやりと理解していた。
その、うつくしい赤色が、闇を孕んでいる事を、闇そのものになりうることを知っている。
彼の足元。一歩進めば、奈落よりも深い闇があることを知っている。
そのうつくしい紅が、憎しみを、狂気を潜ませている事を知っている。
が届かない場所にまで、堕ちてしまうことを知っている。
「・・リ、ドル・・・」
たまらなくなって、は縺れる舌を必死に動かして、その名を紡いだ。
情欲に濡れる色すらうつくしく、はそのうつくしい色を、もっと見ていたくて、触れていたくて、白い指先をそっと、リドルの頬に伸ばした。
伸ばした指先に、絡められるリドルの指が、この上なく大切なものに感じる。
はとろりと、とろけるように美しく微笑むと、泥の中に沈んでいるかのように自由に動かない身体を何とか動かして、そっと、その何よりもうつくしい鳩の血の淵に口付けを落とす。
触れられる事が嬉しくて、は小さなこともがこぼすようなあどけない笑みをのせる。
リドルはあまり見ることがない、のその笑みに、少し驚いたように目をパチパチと瞬かせると、口元に柔らかな笑みを乗せた。
ちゅっと、薔薇色の唇に口付けを落とす。
「ゆるしてあげるよ、。」
愛おしさが滲むような、柔らかな声でリドルが告げると、言葉と共に、を戒めていた魔力の輪が霧散した。
同時に、リドルは思い切りの前立腺を思い切り突き上げる。
「−−−−−ッ!!!!」
頭の中が真っ白になるかのような、火花が散るような、幾度目かの絶頂。
戒めるもののなくなったのペニスはようやっとの解放に歓喜するかのようにびゅくびゅくと、白濁を吐き出した。
はもう、声も上げれずなくただ、目を見開き背をのけぞらせる。
ひゅーっと、喉だけが擦れた音を立てた。
射精による快楽に、リドルを咥え込んだ肉璧がぎゅうぎゅうと締まり、痙攣する。
その動きに、リドルもの奥に熱を叩きつけた。
「あ、・・・あ・・・あ・・・・」
腹の奥に吐き出された灼熱に、は口をはくはくと、金魚のように忙しなく開閉して、微かに喘ぐ。
散々我慢を強いられていたの射精は、中々収まらず、だらだらと白濁を漏らし続ける。
その様をみて、リドルが「まるで、粗相でもしたみたいだね。」と、耳元で囁いてやると、またきゅうっ入り口がしまった。
その反応に、本当に、淫乱だなぁと、頭の中で思いながら、次は本当に、目の前で排尿させて正真正銘の“お漏らし”をさせてやろうかと、が聞けば、顔面を蒼白にさせることを考えながら、リドルはの中に吐き出した熱が、一滴も漏れでないようにとでもいうように、ぎゅうと、の細い腰を抱きしめると、はぁ、と熱のこもった息を吐いて、小さく言葉を漏らした。
「・・・・・。このまま、孕んでしまえばいいのに・・・。」
その言葉を、意識の遠くで聴きながら、は泥水に引き込まれるように意識を失った。
****************
「鬼畜。ドS。スケベ。変態。」
ノリのきいた清潔なシーツに包まって、ベットに沈みながら、恨みがましそうには言った。
ぐしゃぐしゃのどろどろになったシーツは姿を消し、の足の間や胸から腹にかけてを汚していた、ローションやら、精液やらも、が気を失っている間に、すっかり綺麗にされていた。
リドルを受け入れていた入り口は、いまだに何かを咥えているような違和感はあるが、奥に不快感はないので、中に出された精液も、ローションも綺麗に掻き出されたらしい。
「そういう君はドMだし、淫乱だし、スケベだし・・・。」
ふかふかの枕に顔を沈めて、不貞腐れているの隣で、本日購入した本のページをめくりながら、リドルがしれっと返す。
「わざと、いやらしいこといって興奮したり、恥ずかしい事言われて喜んで、痛くされても、ぜんっぜん萎えないし・・・。」
「・・・・・。」
読んでいた本にしおりを挟んで、閉じると、サイドテーブルに置いて、リドルはの白い耳をこしょこしょと指先で弄んだ。
指先で弄った耳たぶは、熱を孕んで、薔薇色に染まっている。
「どっちが、変態なんだか。」
クスクスと楽しそうに笑うリドルに、は枕に埋めていた顔を少しだけ持ち上げて、恨みがましい目でリドルを見つめた。
リドルは唇に弧を描いて、愉快そうに笑っている。
その表情にむっとして、は気だるい体を抱き起こすと、手に持っていた羽毛の枕をリドルの顔に投げつける。
「・・ぅっさい・・・!だまれっ!!」
つい数時間前の情事での己の痴態を指されて、頬を薔薇色に染めあげたに、そんな風にすごまれても、リドルには可愛らしい、とにしか映らない。
投げつけられた枕をキャッチして、それでもなお、おかしそうに笑うリドルには片眉を吊り上げると、自分が投げた枕をリドルからひったくって、またその枕に顔を埋めて、ベットに沈んだ。
「ふふ、ごめんって、。拗ねないでよ。」
小さく笑みをこぼしながら言うリドルを、じっとりと睨みつけ、はリドルから顔を背けた。
すっかり拗ねてしまったに、いけないとおもっていても、可愛らしくて、リドルは唇から小さく笑が漏れてしまうのを止められない。
「オムライス。」
「うん?」
くぐもった声で、がぽつんと吐く。顔はリドルから背けられたままだ。
「明日の、朝飯はオムライス。ふわふわ、とろとろのヤツ。」
「はいはい。」
「クリームソース。」
「チーズは?」
「入れる。」
「承知しました。」
「・・・卒業、したら・・。」
と、急にの唇が紡いだ“卒業”の話題に、リドルが訝しげに首をかしげる。
朝食の話題から、何の脈略もない話題のシフト。
「うん・・?」
「オレが、卒業、したら、さ・・・。」
は酷く言葉を選んでいるように、ゆっくりと言葉を紡いで行く。
もぞ、と、居心地悪そうにが身じろぎした。
「あの、な・・。」
もごもごと、口の中で何度か言葉を転がした後、はようやく言葉らしい言葉を出す。
「子供・・・。産んでやっても、いいぞ・・・。」
「え・・?」
唇から零れた、予想外すぎるとんでもない言葉に、優秀なリドルの思考回路がピタリと停止する。
「なんだって・・・?」
が吐き出した言葉を、優秀なはずのリドルの思考回路は巧く租借できず、思わず問い返す。
と、が、ガバリと勢い良く身を起こして、リドルの眼をぎっと睨みつけるように見据えると、怒鳴るように言った。
「だからっ・・!お前の子供・・!産んでもいいぞっ・・・!!」
かぁ、と、耳まで薔薇色に染め上げて、羞恥のためか目を潤ませて言うに、リドルは目をぱちぱちと瞬かせる。
「・・・こども・・」
ようやっと、の言葉を理解しだした頭で、リドルは小さく吐く。
「べつに・・魔法界だったら、薬とかで一時的に性別変えたら、子供、産めるし・・。そういうの、別に珍しくねーし・・・」
もごもごと、目線をウロウロさせながら、は言うと、きゅっと唇をかみ締めた。
「べつに、いらないなら、いい。」
言って、ふいと、顔をそらすとまた、枕に顔を埋めてベットに沈む。
ボスン、と、が枕に顔を埋める音に、ようやくグルグルと回っていた思考を、ハっとさせたリドルが慌てて言葉を紡ぐ。
「いらなくないよ!嬉しいよ!」
そう、よもやがそんな事を言ってくれるとは思わず、固まってしまったが、嬉しくないはずがない。
「でも、は、魔法薬・・キライでしょ?」
どんなにひどい風邪をひこうが、怪我をしようが、断固マグル式でしか治療を認めないが、魔法薬が嫌いなのは火を見るより明らかだ。
リドルの言葉には、もぞ、と、シーツのなかで居心地悪そうに動くと、もごもごと言葉を紡いだ。
「確かに、魔法薬は、キライだけど・・・。でも・・・、お前、さっき言っただろ・・?孕めばいいのにって・・・。」
「たしかに、言ったけど・・・。」
ついぞの情事の最後に、小さくポツリと思わずはいてしまった言葉に、聞こえていたのか、と、小さく驚く。
思わず漏れたその言葉は、を自分に繋ぎ止めたいがための、繋ぐための鎖が、目に見える形での鎖がほしくて、ほんとうに思わず漏れてしまった言葉だった。
「言った、から・・・。リドルが、欲しいなら・・・。我慢して飲む。」
「・・、でも・・。」
はリドルにとって、大切な存在だ。
本当はトロトロに甘やかして、大事に大事にしてやりたいし、我慢なんて絶対にさせたくない。
そうおもって、「無理しなくてもいいよ。」と、言葉を紡ごうとしたリドルを遮るようにが言った。
「それにっ・・!オレも、欲しい・・・し。」
ぎゅうっと、枕を抱いている腕に力がこもる。
「・・リドルとの、こども・・・。」
薄闇の髪が流れる、首筋までも薔薇色に染め上げて言った、に、なんだかリドルまで気恥ずかしくなって、頬が熱を持つのを感じた。
「リドルがしたいなら、結婚式も、してもいいし、ドレスだって、着て欲しいなら着てやるっ・・!」
緊張して、僅かに震えた声で、が続ける。
「だからっ・・!ちゃんと、ソレぐらい、してやりたいって思うくらいっ、リドルが、・・っ、スキ、だからっ・・・」
「・・・・。」
「それだけだっ!!!!」
言って、逃げるように、頭の先までシーツを被ってしまったを、リドルは暫く呆然と見つめる。
の口から、言葉で明確にされた、彼の気持ちに、じんわりと暖かい気持ちになる。
「・・・。」
ギっと、ベットを軋ませて、リドルはの方に身体を動かした。
衣擦れの音と、近づいてくる気配に、はびくりとシーツの中で肩を揺らす。
「ねぇ、。いい逃げはずるいよ。僕にも言わせて?」
頭からすっぽりと、かぶせられているシーツをゆっくりと剥ぐ。
相変わらず、枕に埋まっている顔と、薄闇の髪から覗く、真っ赤な耳たぶ。
「。」
砂糖菓子のように甘く名前を読んで、薄い肩を掴むと、枕から顔を上げさせた。
予想通りに真っ赤な頬に、愛おしさがこみ上げる。
潤んだ闇色の眼を、しっかりと見据えて、リドルは、大輪の花のような笑みをそのカオにのせ、とびっきり甘い声で、に告白した。
「僕と、結婚してくれますか?」
おわれ☆
お、おわったぁあああああああ!!!
ちょ、ナニコレ^^
やまなし おちなし いみなし のクセになっげぇえええええ!!!!
それにしても、主人公が変態すぎて、すみません。むしろ気持ち悪くてすみません!\^q^/
ちょ、このド淫乱wwwwwww
えろ、久しぶりに書いたので、なんかう〜んな感じに・・。
えろは常に摸索中。書き方とか、表現の仕方とかコロコロかわる。
肉壁ってかくか、腸壁ってかくか、どっちにするか、すんげぇ悩んだ<くだらなさ過ぎる。
にしても、あんまり、破廉恥にかけなかったような気が・・・。期待はずれですみません。本当にorz
あと、ベロチューをしつこくねちっこく書くことが出来なくて、それがすごい心残りです。
えろシーン書き終わった後に、気付いた。ちゅっちゅしてるけど、ベロチュー書くの忘れたって・・!ちっくしょう!!!
でもって、ラストの甘さのかゆいこと・・・!!!なんとかして、このバカっぷる!!!!!!
おかしいなぁ・・最初の段階では、外道なリドルさまのリドルさまにより、マニアックかつ、鬼畜なプレイで主人公を啼かせまくる。
な、予定だったのに、いつの間にか相思相愛のゲロ甘な感じにwwwwwアルェ?????
あ、性転換の魔法薬〜とかについては、完全な捏造です。妄想と捏造で出来ています。すばらしい二次創作!
きっと、薬はネビルあたりに、頼んで作ってもらう主人公。
卒業式の日に、結婚式の招待状とかもらって、みんな超ビビルといい。
結論→パロ設定は便利☆
09/02/07 *翠